ラジオディレクターを目指す方は、必ずAD(アシスタントディレクター)の道を通ります。
ADとは主にディレクターのサポート役。
ディレクターはもちろんですが、ADも番組制作には欠かせない存在です。
ラジオ制作会社ADの仕事
- 放送用の音源素材の準備
- キューシートのチェックと放送音源の搬入
- 生放送や収録に関連する事務作業
- 番組ホームページとSNSの更新
- 番組会議への参加
今の時代は、一昔前のようなパワハラ的なことはほとんどありません。
ラジオが好きでラジオ制作に憧れる方にとって、ADの仕事内容と年収は、とても気になると思います。
結論、制作会社ADの年収はそれほど高くありません。
300万円前後です。
この記事を書いた人
りーまん
・中卒でラジオ制作会社に入社して10年勤務
・ワイド番組、スポーツ中継、ANNGなど担当
・現在はフリーで音声コンテンツプロデューサー、ディレクター
りーまんのプロフィール⇒運営者情報
X(旧Twitter)⇒りーまん@ただの中卒
この記事では「ラジオ制作会社ADの仕事内容と年収」について解説します。
ラジオ制作会社ADの仕事内容
ラジオ制作会社ADの仕事
- 放送用の音源素材の準備
- キューシートのチェックと放送音源の搬入
- 生放送や収録に関連する事務作業
- 番組ホームページとSNSの更新
- 番組会議への参加
放送用の音源素材の準備
ADは主にディレクターからの指示で準備を行います。
生放送で使用するジングル作成や事前にタイトルコールを録るナレーション録り。
番組テーマに合いそうなBGMの選曲や編集など。
生放送の進行についての業務は下記記事をご覧下さい。
⇒『ラジオ番組の生放送はどのように進行されていくのか?』を解説 - ラジオファイル
ディレクターは選曲と編集もしますが、後輩ADを育てるために、あえてやらせるケースもあります。
逆にディレクターが編集した音源をADが検聴してチェック。
もし表現が不適切だと違和感を感じたら、ディレクターに進言をすることもあります。
ディレクターといえども人間なので、ミスをカバーしてバックアップするのもADの仕事。
それが積み重なった分だけ、ADとしての信頼も増します。
キューシートのチェックと放送音源の搬入
キューシートとは番組進行表のことです。
具体的なキューシートの作成方法などについては下記をご参考下さい。
⇒ラジオ番組のキューシート(進行表)の書き方と専門用語を解説 - ラジオファイル
録音番組の納品の場合は、ADは音源を聴いて、キューシートに正確な時間を記入していきます。
記入する内容は大きくわけて以下。
キューシートで確認する時間
・ジングルに入るのは〇時〇分なのか?
・CMに入るのは〇時〇分なのか?
・曲が流れるのは〇時〇分なのか?
・曲が終わるのは〇時〇分なのか?
・アナ尻(最後の言葉)がくるのは〇時〇分なのか?
ラジオ番組のキューシートは正確な時間を記入する必要があります。
なぜなら地震情報や速報を入れるタイミングが瞬時にわかるからです。
生放送ではその都度調整できますが、録音番組ではそういうわけにはいきません。
キューシートに正確な時間を記入することは、多くのリスナーに災害や安心安全を呼びかけるため、絶対に必要なことなのです。
放送音源のチェック事項
・何の番組か?
・いつ放送されるのか?
・音のレベル(音量)が大きすぎないか?小さすぎないか?
・適切な表現がされているか?
・内容が間違っていないか?
こういった放送音源の検聴も兼ねながら、ADはキューシートをチェックします。
生放送や収録に関連する事務作業
生放送や収録に関連する事務作業はディレクターも行いますが、ADもサポートします。
例えばディレクターが別の現場の作業がある場合など。
ディレクターの1日のスケジュールについては下記をご参考下さい。
ADはディレクターとともに移動と行動を共にすることが多いです。
⇒ラジオディレクターが教える1日の仕事のスケジュールと流れ - ラジオファイル
出演者の駐車場の予約や収録スタジオの予約、ケータリングの買いだしやCD音源のピックアップなど。
深夜の場合は出演者のタクシーチケットの確保などもあります。
番組ホームページとSNSの更新
現在ではほとんどのラジオ番組が、ホームページとSNSのアカウントを持っていることが多いです。
ADは次回番組のゲストやプレゼントの事前告知なども、ホームページやSNSを使って投稿。
タレントの宣材写真が必要な場合は、マネジメント事務所に問い合わせて、写真も送ってもらう手配をすることもあります。
番組会議への参加
ADはディレクターとともに番組会議に参加するケースもあります。
その中で自分なりの考えや、アイデアを出していくことも大事。
他の番組スタッフにこう思わせながら、ADは信頼を勝ち取っていきます。
ラジオ制作会社社員ADの年収はいくら?
ラジオ制作会社の社員ADは、お世辞にも年収が高いとはいえません。
放送局の社員なら別ですが、年収は300万円が中心になるでしょう。
手取りでいえば20万円は切ります。
アルバイト採用の場合はもっと安くなると思ってください。
しかし福利厚生はしっかりとしている会社が多いので、そこは安心して良いかもしれません。
制作会社の社員は他局の番組も掛け持ちで行う場合が多いので、交通費もかかります。
定期代はよく通う放送局を中心に交通費を計算され、他への移動は月1清算という会社も。
はっきり言って給料が上がることは期待しない方が良いです。
自分自身のステップアップのために、お金をもらってエンタメの勉強するを期間だと思いましょう。
ADがディレクターに昇格するにはどうすれば良いの?
ディレクターに昇格するケース
- 企画を出した番組が好評だったケース
- 放送局のプロデューサーから認められるケース
- ディレクターが後進に道を譲るケース
企画を出した番組が好評だったケース
放送局にはレギュラー番組以外で企画を募集している時期があります。
世間の大型連休の年末年始やGWなど。
ここで特別番組があることが多いです。
または番組改編期前の3月や9月も。
自分が企画した番組はADがディレクターを担当。
この番組企画が好評だった場合、次のタイミングで直接ディレクターとしてのオファーがくることがあります。
放送局のプロデューサーから認められるケース
ラジオ番組には必ずプロデューサーがいます。
あくまでも制作会社は放送局の下請けなので、委託されて番組を制作。
同じ番組を長年継続していけば、当然スタッフとも信頼関係が出来上がります。
そこでプロデューサーから別番組のお声がかかる場合も。
出演者のパーソナリティが若手の場合などは、制作も若手にしたい。
こう思うプロデューサーも多いのです。
ディレクターが後進に道を譲るケース
ディレクターが何年も継続して担当している番組があるとします。
その際、ディレクターが新番組の依頼を受けて、ADにディレクターへの道を譲るケースがあります。
なぜなら出演者やスタッフ間のコミュニケーションをとっていますし、番組のことを理解しているから。
知らないディレクターを引っ張ってくるより、ADをディレクターに昇格させた方が楽だからです。
周囲からの賛同も必要ですが、長年番組に携わってきたADに対して、NOを突き付けるスタッフはほぼいません。
自分からディレクターになろうと思ってなるのではなく、まわりからディレクターにされるケースが多いのです。
結論:ラジオ番組のADは、ラジオと音楽好きにはたまらない最高の仕事
改めてまとめです。
ラジオ制作会社ADの仕事
- 放送用の音源素材の準備
- キューシートのチェックと放送音源の搬入
- 生放送や収録に関連する事務作業
- 番組ホームページとSNSの更新
- 番組会議への参加
ラジオ制作会社ADの年収
ラジオ制作会社の社員ADは、お世辞にも年収が高いとはいえません。
放送局の社員なら別ですが、年収は300万円が中心になるでしょう。
手取りでいえば20万円は切ります。
ラジオ番組のADは最初は覚えることも多いですが、好きなジャンルの番組や、好きな音楽に毎日ふれることができます。
自分がティレクターになって、企画した番組でキューを振る未来を想像してみてください。
ラジオは少数精鋭。
ラジオ番組のADも大きな責任感が必要になります。
しかしそれ以上に、ラジオが好きで音楽が好きな方には最高の仕事になるでしょう。