ラジオ制作

『ラジオ番組』生放送前の準備や進行と制作方法を解説

※当サイトにはプロモーション広告が含まれています

ラジオの生放送の制作と裏側について知りたいですか?

 

ふだん何気なく聴いているラジオの生放送番組。

事前準備や放送中の進行、放送終了後までのタイムスケジュール。

 

ラジオの生放送の番組はどのように進行されていくのか?

 

実は驚くほど様々な要素が詰まっています。

 

この記事を書いた人

radio-leaman-pc

りーまん

・中卒でラジオ制作会社に入社して10年勤務

・ワイド番組、スポーツ中継、ANNGなど担当

・現在はフリーで音声コンテンツプロデューサー、ディレクター

りーまんのプロフィール⇒運営者情報

X(旧Twitter)⇒りーまん@ただの中卒

 

この記事では「『ラジオ番組』生放送前の準備や進行と制作方法」について、くわしく解説していきます。

 

 

ラジオ番組生放送前の事前準備⑤選

 

生放送事前準備⑤選

  • ①キューシートを作成する
  • ②台本をチェックする
  • ③パーソナリティがスタジオ入り
  • ④音素材の確認
  • ⑤番組ホームページやSNS更新のチェック

 

①キューシートを作成する

キューシートとはラジオ番組の進行表、タイムテーブルです。

 

台本とは違い、ブロックごとの時間に何をやるのか?が、書き込まれています。

このキューシートを元にラジオの生放送は進行。

 

キューシートの作成方法については下記記事で書いていますのでご参考までに。

ラジオ番組のキューシート(進行表)の書き方と専門用語を解説 - ラジオファイル (conohawing.com)

 

キューシート作成後、出演者とスタッフ分を印刷して準備をします。

 

②台本をチェックする

ワイド番組の生放送では作家もスタッフに入っています。

 

事前に打ち合わせをした内容を元に、ディレクターは台本をチェック。

 

台本のチェック項目

・不適切な表現はないか?

・キューシートに書かれている提供クレジットと違いはないか?

・競合スポンサーとバッティングするような表現はないか?

 

事前に放送事故を防ぐため、ありとあらゆるチェックをして、台本も印刷して準備に入ります。

 

③パーソナリティがスタジオ入り

パーソナリティは大体1時間前にスタジオ入り。

 

スタジオではパーソナリティと共に、キューシートと台本を元に打ち合わせを行います。

 

台本や選曲などは、ここでの事前打ち合わせの中で変更することも多々あります。

ゲストが放送開始前に早めに到着した場合には挨拶へ。

 

放送前の準備も進めなければいけないので、慌てる瞬間はだいたいこの放送直前。

 

④音素材の確認

パーソナリティや演者との打ち合わせが終わったら、番組で使用する音素材のチェック。

 

キューシートと台本を元に、ディレクター・ミキサー・ADで、実際に順番に使用する音素材を確認していきます。

 

音素材で確認をすること

・パーソナリティにエコーをかける箇所

・BGMをカットインする箇所

・ジングルやロケ編集素材の確認

 

放送で使用するCDが飛ばないかどうか?イントロ頭の曲のレベル(音の大きさ)などもチェック。

 

曲によっては出だしの音が大きかったり小さかったり。

どのレベルで音を出せば心地良いのか?こちらもチェックをします。

 

⑤番組ホームページやSNSの更新をチェック

事前にホームページに書き込んでいる番組概要が、当日の内容で合っているか?もチェック。

 

SNSでは主にX(旧Twitter)アカウントを持っている番組が多いです。

 

本番直前にも投稿(ポスト)をして、このあと生放送の番組を告知。

リスナーが放送に参加するためのハッシュタグや、番組メールアドレスも書き込んで更新します。

 

ラジオ番組生放送中にやること

 

生放送中にやること

  • 時間配分
  • OA曲が流れているときにしていること
  • 電波や回線チェック
  • メールやX(旧Twitter)のチェック
  • 地震や災害などの速報対応

 

時間配分

生放送では時間が押したり巻いたりなどは日常茶飯事。

 

ディレクターと共にADが時間配分を計算します。

 

生放送中で命ともいえるのがストップウォッチ。

 

時間が押してしまえばCMを出す時間や、提供クレジットの読み上げなどが出来ません。

デッド時間を常に計算。

 

ゲスト出演ゾーンのコーナーが短くならないように、時間配分は常に気を配っています。

 

OA曲が流れている時にしていること

OA曲は事前に曲タイミング時間を、キューシートに書き込んでいます。

 

曲タイミングの例

A:12" B:1'45 C:1'55” B:3'02" Total:3'35"CO

A→イントロ、B→1コーラス終わり

C→2コーラス歌あたま、B2→2コーラス終わり

Total→曲のトータル時間、CO→曲の終わり方がカットアウト

 

※例えば『A:12”』とは、イントロが出始めてから歌頭に入るまでの時間。

 

イントロの中でパーソナリティがカッコよく曲紹介をするため、しっかりと時間を計っています。

生放送中に曲が流れているときは、時間の押し巻きによってあらゆることを想定。

 

・押しているので1コーラス終わりでパーソナリティにしゃべりださせるのか?

・巻いているので全てOA曲を聴かせるのか?

 

イントロが出た時間で、曲が終わる時間を計算。

こうして時間配分をしながら生放送を進めていきます。

 

電波や回線チェック

生放送中の中継コーナーや交通情報、電話出演のゲストなど、事前に回線チェックや電波チェックを行います。

 

中継コーナーや交通情報ではOAに入る時間を伝え、電話出演のゲストには携帯電話の電波状況などもチェック。

最近ではZOOMでの出演も多いので、出演者のネット環境などもチェックをします。

 

メールやX(旧Twitter)のチェック

放送前や放送中に呼び込んでいるメールやX(旧Twitter)は、作家が集約して抜粋します。

 

 

生放送中のOA曲が流れているタイミングなどでディレクターとOA候補を打ち合わせ。

作家は誤字脱字やメールの個人情報を読み上げないよう、リライト作業も本番中に行っています。

 

地震や災害などの速報対応

生放送に従事していると様々なことが起こります。

 

ニュース速報が入ってくるので対応。

 

「地震が起きた際に何を伝えるのか?」

「どう放送を進行していくのか?」

 

こうしたマニュアルも存在します。

 

ラジオ生放送終了後にやること

 

生放送終了後にやること

  • 写真撮影
  • 放送後の反省会
  • 番組プレゼント当選者への発送手続き
  • メールやX(旧Twitter)のチェック

 

写真撮影

出演者SNS用の写真や番組ホームページ、SNS用の写真などを撮って、放送終了後にアップ。

 

パーソナリティが帰る前には、次回の内容や今後のことなども軽く打ち合わせを行うことも。

帰るパーソナリティをエレベーターまでお見送りします。

 

放送後の反省会

トラブルが起きたときは、特に反省会を行う場合が多いです。

 

スタッフ間の打ち合わせでは、軽くネタ出しを行う場合や、次回についてのすり合わせも。

次回の放送内容については、放送後に作家と打ち合わせをすることが多いです。

 

番組プレゼント当選者への発送手続き

放送中にメールやSNSで参加して頂いたリスナーの中から、抽選で番組プレゼントの当選者を発表。

 

主に番組アルバイトの方が発送手続きをすることが多いので、アルバイトの方が送り状などを作成します。

 

下記記事では実際に当選率がアップするメールの書き方について解説。

番組プレゼントに応募して、当選率がアップするメールの書き方とは? - ラジオファイル (conohawing.com)

 

まとめ:ラジオ番組の生放送は一瞬たりとも気が抜けません!

改めてラジオ番組の生放送、準備から終了後までのまとめです。

 

生放送事前準備⑤選

  • ①キューシートを作成する
  • ②台本をチェックする
  • ③パーソナリティがスタジオ入り
  • ④音素材の確認
  • ⑤番組ホームページやSNS更新のチェック

 

生放送中にやること

  • 時間配分
  • OA曲が流れているときにしていること
  • 電波や回線チェック
  • メールやX(旧Twitter)のチェック
  • 地震や災害などの速報対応

 

生放送終了後にやること

  • 写真撮影
  • 放送後の反省会
  • 番組プレゼント当選者への発送手続き
  • メールやX(旧Twitter)のチェック

 

ラジオの生放送は準備も大変ですが、放送中も気が抜けません。

唯一、ホッと気が抜ける瞬間が番組が終わった直後ではないでしょうか。

 

 

ディレクターであれば、考えていた演出がうまく決まった!考えた企画が思いのほかハネた!など、ラジオ冥利に尽きることも。

 

ラジオは一人リスナーに語りかけるメディア。

番組では「リスナーの皆さん」ではなく「ラジオの前のあなた」という表現を使います。

 

制作者はより良いものを届けようと日々奮闘。

それはいちばん近くにいる存在でもある、リスナーからの叱咤激励が制作者を奮い立たせるからです。

 

-ラジオ制作